ETH を【Lido & Curve】で運用して報酬を二重取りする
あなたのウォレットにイーサリアム（ETH）が眠っていませんか？
もしETHを持っているならただ寝かせておくのはもったいないので、「Lido」と「Curve」というサービスを使って運用しましょう。
報酬を2重取り（ステーキング報酬と運用益）できるので、年利10%程度でまわせます。
具体的には次の3ステップでOK
- Lido Financeに ETH を預け入れる（ステーキング報酬をゲット）
- ETHと同量の stETH が交付される
- stETHをCurve に預け入れる（運用益をゲット）
以上です。と言っても意味不明ですよね？
以下で詳しく解説します。
Lido でステーキングする
ステーキング報酬
Lido は、暗号資産をステーキングするサービス。
2023年1月現在、Lidoでは下の5つのトークンをステーキングできます。
左上のEthereumを見ると、
APR(年利) 4.6%
で運用できることがわかります。これは、ETHのステーキング報酬で stETH で支払われます。
毎日、チャリンチャリンと報酬が入ってきて、ステーキングしている stETH の残高が少しずつ増えていく。
ステーキングされている資産が59億ドル（約8千億円）。私もETHを数十万円分ステーキングしてます。
ETHをステーキングすると4.6%の報酬がもらえるのですが、とりあえずETHを預け入れると利子がもらえるんだ、と理解しておけばOKです。
LIDOを使わないステーキングは激ムズ
LIDO のようなサービスに頼らず Validaor としてステーキングする場合は、ハードルが高く一般投資家には激ムズ。
- 最低32ETHから
- 高度な技術が必要
Binance などの海外の暗号資産取引所でもステーキングサービスを展開していますが、次のようなデメリットあり。
- ステーキングできる量に限りがある
- 常時ステーキングを受け付けているとは限らない
- 受け取れるのはステーキング報酬のみ
一方Lidoでは、ETHはロックされるもののその代わりにstETHの発行を受けることで、「stETHの運用」を可能にしています。以上をまとめます。
- Lidoを使う理由❶ 「少額から」でも「簡単に」ETHをステーキングできる
- Lidoを使う理由❷ ステーキングでETHがロックされている間もstETHをDeFiで運用できる
LidoはDAOで管理
DAOとは自律分散型組織。
中央集権的な管理者が存在せず、コミュニティ主導で資金集めやサービス管理を行い、メンバー全員で方針を決めます。
- トークンごとのAPY（ステーキングした場合の年利）
などもDAOで決定されます。
決定方法はガバナンストークンを購入して投票することで、自分の意思をDAOに反映する仕組みです。
ユーザーがLidoにステーキングしたETHは、Lido DAOが制御するスマートコントラクトに預けられ、その後イーサリアムにロックされます。
Lido DAOのガバナンス権となるのは「LDO」トークン。
ロックするLDOが多いほど、投票者には大きな意思決定力があります。
stETH
stETH とは
ETHをLido Financeにステーキングすると、同量の
stETH（Liquid Staked ETH）
が生成されます。stETHは「Lido FinanceにステーキングされたETH」の意味。
stETH にはステーキング報酬が毎日1回、加算されます。なので、stETH の量は当初預け入れてから少しずつ増えていきます。
stETH の使い方
１ ただ持っておく
stETHをただ持っておくだけでも、ETHのステーキング報酬ですこしずつstETH自体が増えていきます。
どれくらい増えるかというと、先に見たようにAPRが4.6%なので、10万円分のETHをstETHに替えてもっておくだけで、1年後には約10万5千円になっている計算です。
２ DeFi で運用する
ただ持っているだけだともったいない。というのは、stETHをDeFiで運用できるから。
これについては、後でくわしく解説します。
ETHに替える
本家本元のEHEに替えたい。そんなときは2つの方法があります。
- unstake する
- swap する
unstake は預け入れたETHを償還することですが、Shanghai Upgrade の終了（2023年後半？）までできません。
償還時のレートは stETH が発行されたときと同じで
1 ETH=1 stETH
stETHは償還時にバーン（焼却）されます。
もうひとつは、 swap する方法。curve や uniswap などの DEX でいつでも可能です。
2023年1月現在のレートは
1ETH≒0.99stETH
stETHをDeFiで運用する
Lidoのエコシステムには、CurveやAAVEなど様々なDeFiプラットフォームがあるので、stETHを使って運用できます。
stETHの運用方法
- Curve Finance：stETHとETHを交換できるプールに流動性を提供する
- AAVE：stETHを担保にして別のトークンを借り入れる
ここでは Curve での運用を解説します。
stETH を Curve(Ethereum NW) で運用する
運用方法
まず、報酬の1つ目。
curve で （stETH & ETH） のプールに流動性を提供すると、2.90% の流動性マイニング報酬（liquidity mining rewards）が得られます。
（流動性マイニング：流動性プールにETHなどのアセットをデポジット（流動性を提供）して報酬を得る行為）
この報酬の原資は、利用者がこのプールでトークンを交換したときの手数料。預け入れている額に応じて、手数料は按分されます。
次に、報酬の2つ目。
LP トークンのステーキング報酬です。流動性を提供したときに
steCRV（LP token）
というLPトークンが発行されます。steCRV をステーキングすることで、報酬が（CRV と LDO）の2つのガバナンストークンで得られます。
さらに、3つ目。
CRV はロックすることで、2.5倍にブーストできます。上のケースだと、0.00071→0.0017% です。
以上の3つを合わせると、
2.90%+0.0017%+3.71%=6.6117%
の利回りになります。
イールドファーミング (Yield Farming)
ETHやERC20トークン、流動性マイニングのLPトークンなどのイーサリアム上のアセットをコントラクトにロックまたはステーキングし、ガバナンストークンで利益を得ること。
で、CRV や LDO の価格があがれば、利回りはさらに大きくなります。2020～2021年のDeFiの爆益は、トークンの値上がりによるものです。
Ethereum NetWork のデメリット
Ethereum ネットワークのデメリットはスケーラビリティ。
スケーラビリティ（Scalability）問題とは、トランザクションのガス代が高くなり、処理速度が遅くなること。
数千円もガス代に取られては、まとまった額の運用資金がないと元が取れません。
そこで、Ethereum の L2 である Optimism で運用する方法を次の章で紹介します。Curve は Optimism にも対応しています。
stETH を Curve(Optimism NW) で運用する
wstETH とは
Optimism では、stETH が使えないので、wstETH を使います。
Lido のこの画面にアクセスして、stETH を預け入れて、同量の wstETH を発行します。
なぜ stETH が使えないか？
毎日ステーキング報酬が入ってくるので、日々少しずつ増えていくという性質が stETH にはあります。
これを rebasable token と呼びます。
curve はこのように価値が変動する rebasable token に対応していますが、Arbitrum、Optimism、uniswap などのプロトコルは対応していないんです。
なので、ベースが変動しない wstETH を使う必要があります。
なお、wstETH のステーキング報酬は、unstake するときにまとめて獲得できます。
（wrapper contract にロックされている stETH の価値が日々、ステーキング報酬分増えていきます）
注意点
第一の注意点は、Ledger社のハードウェア・ウオレット がOptimismネットワークには対応していないこと。（2023.1.13現在）
ですので、メタマスクからCurveにアクセスしましょう。
第二の注意点は、curve pool にdeposit & stake（預け入れる）前に、L1のEthereumネットワークからL2のOptimismネットワークにブリッジをする必要があること。
ブリッジの方法はこちらをご参照ください。
最後に、ネットワークが「Optimism」になっていることを確認して、deposit & stake をクリックして預け入れれば完了です。
なお、預け入れる際に「Add all coins in a balanced proportion」というチェックボックスがありますが、これはチェックしないで「Eth : wstEth = 1 : 1」で預けてOKです。
＊チェックボックスを入れると、現在のプール中のコイン比率と同率で預け入れることになります。
報酬（APY）
報酬は
3.019% + 3.77% = 6.789%（年利）
になります。Ethereumネットワークと同程度の利回りですね。
ただ、ガス代が安い分、こちらのL2チェーンの方がお得になります。